粘液嚢胞

右上顎洞内に白い不透過像が見られます。レントゲン撮影で散見されます。

上顎洞内粘液嚢胞(じょうがくどうない・ねんえきのうほう)と呼ばれます。

上あごの奥にある空洞(上顎洞)に、粘液がたまって袋状になったものです。


■ 正体は何か

多くは「貯留嚢胞(retention cyst)」と呼ばれるタイプで、
上顎洞の粘膜にある分泌腺の出口が詰まって、粘液がたまって膨らんだものです。


■ 特徴

  • レントゲンやCTでドーム状(半円形)に見える
  • 境界が比較的はっきりしている
  • 骨を破壊することは基本ない
  • 無症状がほとんど

■ 症状が出る場合(まれ)

  • 頬の違和感・圧迫感
  • 鼻づまり
  • 上顎臼歯部の鈍い痛み

ただし、多くは偶然発見されるだけです。


■ 原因

  • 慢性副鼻腔炎
  • アレルギー性鼻炎
  • 粘膜の炎症
  • 歯性(根尖病変など)との関連もある場合あり

■ 治療は必要?

基本は👇
👉 無症状なら経過観察のみ(治療不要)

ただし以下の場合は対応を検討:

  • 明らかに大きくなっている
  • 症状がある
  • 手術(インプラント・サイナスリフト)前に問題になる場合

→ この場合は耳鼻科での処置や内視鏡手術を検討


■ 歯科的に重要なポイント

歯科では特に:

  • インプラント(上顎洞挙上術)前評価
  • 根尖病変との鑑別
    が重要です。

■ 鑑別が必要なもの

似ているけど別物:

  • 上顎洞炎(液面形成あり)
  • 真性嚢胞
  • 腫瘍性病変